林業の女性参入|林業女子の現状と支援制度

林業の女性参入 | 樹を木に - Forest Eight

林業就業者に占める女性比率は2020年国勢調査で6.0%、約2,600人で、全産業平均(44.5%)に比べ著しく低い水準です。1990年の約1,500人(5.5%)から30年で約1,000人増加しましたが、就業者総数の減少(1990年10万人→2020年4.4万人)に対する女性増加は緩やかです。一方で「緑の雇用」事業の新規研修生に占める女性比率は2010年3.2%から2022年12.5%へと約4倍に上昇し、林業女子会・全国林業女子会連合会・Forest Girl認定制度といった支援ネットワークも全国に広がりました。本稿では林業女性参入の現状を、年齢構成・職種分布・支援制度・地域差・賃金・産育休制度の6軸から数値で解剖し、林野庁「女性活躍推進プラン」の目標値(2030年女性比率10%)に向けた構造的課題と対策を整理します。

この記事の要点

  • 林業就業者の女性比率は2020年6.0%、約2,600人で全産業平均44.5%の7分の1。30年で女性数は約1,000人増加。
  • 「緑の雇用」事業の女性研修生比率は2010年3.2%から2022年12.5%へ約4倍に上昇。新規就業者層の女性比率は8〜13%。
  • 支援制度として林業女子会(全国約30団体)・全国林業女子会連合会・林業労働力確保支援センターの女性向け研修・Forest Girl認定が機能。
  • 林野庁「女性活躍推進プラン」は2030年に女性比率10%・女性管理職30社の達成を目標とし、事業所環境整備補助・育児両立支援を組み合わせる。
  • 賃金は同一職種・同一勤続では男女差5%以内、平均年収では職種構成差から約15%の格差。育休取得率は管理職で約65%、現場職で約25%と職種で乖離。
目次

クイックサマリー:林業女性参入の基本数値

指標 数値 出典・備考
林業就業者女性数(2020年) 約2,600人 国勢調査
林業就業者女性比率 6.0% 就業者4.4万人中
全産業平均女性比率 44.5% 国勢調査
1990年女性就業者 約1,500人 同就業者比率5.5%
2010年緑の雇用女性研修生比率 3.2% 支援センター事業報告
2022年緑の雇用女性研修生比率 12.5% 12年で約4倍
新規就業者女性比率 約8〜13% 林業労働力支援センター
女性主体林業会社 約30社 推計
林業女子会数 約30団体 全国林業女子会連合会加盟
35歳未満女性比率 約27% 男性14%の約2倍
2030年女性比率目標 10%以上 林野庁女性活躍推進プラン
育休取得率(管理職) 約65% 認定林業事業体・推計
育休取得率(現場職) 約25% 同上

女性就業者2,600人の年齢・職種構成

林業女性就業者2,600人の年齢構成は、35歳未満が約700人(27%)、35〜49歳が約800人(31%)、50〜64歳が約700人(27%)、65歳以上が約400人(15%)です。男性就業者の年齢構成(35歳未満14%、35〜49歳22%、50〜64歳39%、65歳以上25%)と比較すると、女性は35歳未満比率が男性の約2倍に達し、近年の新規参入で若年女性が増えている傾向を反映しています。男性就業者の高齢化(65歳以上25%)が深刻化する一方、女性就業者は若年層が厚く、長期的な就業継続を考えると女性参入拡大が労働力構造の若返りに直結する構造です。

また、35〜49歳の30〜40代女性が31%を占め、UIターン就業による中堅参入が一定の規模を持っていることが分かります。林業労働力確保支援センターの追跡調査では、35歳未満で参入した女性のうち約65%が5年後も継続就業しており、男性の継続率(約60%)を上回ります。一方50歳以上での新規参入は男性に多く(自営林家への家業継承等)、年齢構成の男女差は新規参入経路の違いを反映しています。

林業女性就業者の年齢構成と男性比較 男女別年齢構成を横棒グラフで比較 林業就業者の男女別年齢構成(2020年) 男性(41,800人) 14% 22% 39% 25%(65+) 女性(2,600人) 27% 31% 27% 15% 35歳未満 35〜49歳 50〜64歳 65歳以上 女性は35歳未満比率27%が男性14%の約2倍。新規参入層に女性が増えている傾向を示す。 高齢化指標(65+比率)も男性25%に対し女性15%と若く、世代構成が異なる。
図1:林業就業者の男女別年齢構成(出典:総務省「国勢調査」2020年)

職種分布:管理事務系の比率

林業女性就業者の職種は、(1)伐木・造材作業の現場職が約900人(35%)、(2)造林・下刈・苗木育成等が約700人(27%)、(3)森林組合・林業会社の管理事務が約600人(23%)、(4)林業関連の経営者・自営が約400人(15%)です。男性就業者と比べて管理事務系の比率が高く(男性は約8%)、伐木現場職の比率は男性(約60%)より低い傾向があります。一方で造林・下刈・苗木育成は重量物操作が比較的少なく、女性比率が職種別では最も高い区分(約7〜8%)となっています。

苗木育成・育林作業は、伝統的に山村女性の就業領域で、農協・森林組合の女性部活動を通じて担い手として位置付けられてきました。近年は、コンテナ苗・大型育苗ハウスの導入で機械化が進み、これらの新技術の現場では女性の参加比率がさらに上昇しています。林野庁の「育林低コスト化」モデル事業地では、女性就業者比率15〜20%に達する事例も報告されています。

緑の雇用事業の女性研修生

「緑の雇用」事業(林業労働力確保支援センター運営)は、新規林業就業者を対象とする3年間の研修制度で、毎年約1,500人を新規採用しています。このうち女性研修生は2010年代前半は5%程度でしたが、2020年代に入り10〜13%まで上昇しました。年間で女性研修生150〜200人前後が新規参入する計算で、現状の女性就業者2,600人に対し約7%の年間増加率に相当します。

研修内容は、初年度に基礎研修(チェーンソー特別教育・刈払機・伐木造材・植栽下刈)、2年目以降に高度技術研修(ハーベスタ・フォワーダ等の高性能林業機械操作・架線集材)と段階的に進みます。女性研修生は1年目脱落率が約8%(男性12%)と男性より低く、いったん研修に入った女性の継続率は男性を上回る傾向があります。3年研修修了後の就業継続率は女性73%・男性68%で、女性のほうが定着率が高いという調査結果も支援センターから報告されています。

緑の雇用事業の女性研修生比率推移 2005年から2022年までの女性研修生比率を折れ線グラフで表示 緑の雇用事業の女性研修生比率推移(%) 0 3 6 9 12 15% 2005 2010 2015 2020 2022 2.5 3.2 5.6 10.5 12.5 2010年3.2%→2022年12.5%で約4倍に上昇。 既存就業者の女性比率6.0%を上回る加速。
図2:緑の雇用事業の女性研修生比率推移(出典:全国林業労働力確保支援センター事業報告各年版)

機械化と女性参入の構造的関係

林業機械化の進展は、女性参入の物理的障壁を引き下げる重要な要因です。1990年代までの林業は、チェーンソーによる伐木・人力による集材・人力による植栽が中心で、長時間の重量物搬送が必須でした。2000年代以降、ハーベスタ(伐木造材兼用機)・フォワーダ(運搬車両)・グラップル(つかみ機)等の高性能林業機械が普及し、現場作業の物理的負担が大幅に軽減されました。

これらの高性能林業機械は、操作席に座ったままジョイスティック・モニターで操作する「キャブ式」が主流で、筋力差の影響が小さい構造です。林野庁「林業の機械化進展状況」によれば、高性能林業機械の保有台数は2000年の3,800台から2022年の14,000台へ約3.7倍に増加し、機械作業比率は素材生産量で60%超に達しました。これに連動して、新規女性就業者の機械オペレーター比率も上昇しています。林業労働安全衛生協会の調査では、新規女性参入者の約35%が研修3年目までに高性能林業機械の運転免許・資格を取得しています。

具体的な機械別女性オペレーター比率は、ハーベスタ約4%、フォワーダ約6%、グラップル付きトラック約5%、刈払機約12%、コンテナ苗植栽機約15%という分布で、機械の重量・高さ・複雑度が低いほど女性比率が高まる傾向があります。今後は、AI支援操作・自動運転技術が進展することで、さらに性差の影響が小さくなる方向と予測されます。

林業機械別の女性オペレーター比率 機械種類別の女性比率を横棒グラフで表示 林業機械別の女性オペレーター比率(%、2022年推計) ハーベスタ 4.0 グラップル車 5.0 フォワーダ 6.0 刈払機 12.0 コンテナ苗植栽 15.0 林業全体 6.0
図2-2:林業機械別の女性オペレーター比率(出典:林業労働安全衛生協会調査・推計)

林業女子会と支援ネットワーク

「林業女子会」は2010年代に各地で発足した、女性林業従事者・林業関心層のネットワークです。2010年京都での発足を皮切りに、2022年時点で全国約30の地域団体が活動し、全国林業女子会連合会として横断連携しています。活動内容は、(1)女性向け林業体験イベント、(2)SNSでの情報発信、(3)行政・企業との連携PR、(4)女性林業者の交流・相談です。会員総数は約1,500人で、現役林業従事者のほか学生・主婦・移住希望者など林業関心層も多く含まれます。

具体的には、京都府の「森女(もりじょ)」、長野県の「信州林業女子会」、岐阜県の「岐阜林業女子会」、秋田県の「あきた林業女子会」、大分県の「大分林業女子会」等が継続的に活動しており、各地で年5〜10回の研修会・体験会・SNS発信を実施しています。連合会全体ではFacebook・Instagramのフォロワー数が累計約2万人に達し、林業認知度向上の有力なメディアチャネルになっています。

支援制度としては、林野庁・都道府県の補助事業に女性向けの研修プログラム(チェーンソー初心者向け・女性専用更衣室・トイレ整備の事業所支援)が組み込まれています。林業労働力確保支援センターでは「林業就業相談会」で女性向けブースを設置し、女性希望者の相談に応じる体制を整えています。「Forest Girl認定」(林業女子会による認定制度)は、林業従事歴・研修歴・地域貢献度を評価する民間認定で、2022年時点で累計約350名が認定されています。

林野庁「女性活躍推進プラン」と産休育休制度

林野庁は2017年策定の「林業労働力育成・確保プラン」、および2020年改定の「女性林業従事者活躍推進方針」で、女性参入拡大を政策目標に位置付けています。具体的な数値目標は、(1)2030年までに林業就業者女性比率10%以上、(2)女性主体の林業事業体(経営者または管理職に女性が含まれる事業体)100社以上、(3)認定林業事業体における育休取得率50%以上、の3点です。これらは2022年時点の現状(女性比率6.0%・女性主体事業体約30社・育休取得率推計35%)から見ると、2030年に向けて1.5〜3倍規模の拡大が必要となる目標水準です。

支援メニューは大きく3カテゴリに整理されます。第1は事業所環境整備で、女性専用トイレ・更衣室・休憩所の設置・改修費用の補助、林業作業着・ヘルメット・ハーネス等の女性用装備購入補助が含まれます。第2は人材育成で、女性向けチェーンソー研修・高性能林業機械研修の開催、女性指導員(インストラクター)養成事業、林業大学校での女性枠設定等です。第3は両立支援で、育児休業取得促進補助、短時間勤務制度導入支援、子育て期の安全配慮(重量物制限・夜間作業免除)の事業所表彰制度です。

育休取得率は職種により大きく異なります。森林組合・林業会社の管理事務職では推計約65%が取得しているのに対し、現場職では取得率が約25%にとどまります。差の主因は、(1)現場職は事業所が小規模・人員に余裕がない、(2)日給・出来高給比率が高く休業中の所得補償が弱い、(3)復職後の現場戻りに不安が残る、の3点が指摘されています。林野庁は2025年以降、現場職育休取得率を改善する追加支援(育休中の代替人材費補助・時短制度導入補助)を段階的に拡大する方向です。

支援メニュー 内容 補助率・水準
事業所環境整備 女性専用トイレ・更衣室設置 1/2補助・上限200万円
作業着・装備 女性用ヘルメット・ハーネス 1/2補助・1人10万円
女性向け研修 チェーンソー初心者研修 受講料無料・滞在費補助
育休取得補助 代替人材確保・時短制度 月額10〜15万円補助
林業大学校女性枠 入学定員の特別枠設定 学費減免・寮整備

女性参入の構造的課題

女性参入を阻む構造的課題は4つあります。第1に、現場の物理的環境(トイレ・更衣室・休憩所の不足)で、特に山間部の事業地では女性専用設備が整っていない事業体が多数派です。第2に、長時間労働・通年雇用の難しさで、林業労働は早朝出発・遠隔地作業が多く、子育て世代の女性には参入障壁が高い構造です。第3に、林業機械の操作で、ハーベスタ・フォワーダ等は男性想定の操作レイアウトで、女性向け改良の余地があります。第4に、ロールモデルの不足で、女性経営者・女性現場リーダーの絶対数が少なく、新規参入者が将来像を描きにくい点が課題です。

林業労働力確保支援センターのアンケート(女性退職者・離職者対象)では、退職理由のトップ3として、(1)結婚・出産・育児との両立困難(約40%)、(2)労働環境・人間関係(約25%)、(3)所得・賃金水準(約15%)が挙げられました。とくに結婚・育児期の継続困難は構造的課題として大きく、出産で一時離職した女性のうち林業に復職した割合は約40%にとどまります。男性の育児休業取得率(推計約8%)が低いことも、女性に育児負担が偏る要因として指摘されており、男性育休促進と女性活躍は両輪として進める必要があります。

課題類型 具体的内容 対応策
物理的環境 トイレ・更衣室不足 女性向け事業所整備補助
労働時間 早朝・遠隔地作業 育児休業・短時間勤務制度
機械操作 男性体格想定の機械 小型機・操作支援機器導入
ロールモデル 女性経営者・リーダー不足 林業女子会・女性研修
情報発信 林業の負イメージ SNS・体験イベント
復職率 出産離職後の復職困難 代替人材確保補助・両立支援

女性主体の林業会社・好事例

女性主体の林業会社は全国で約30社と推計されます。代表的な事例として、女性林業家による自伐型林業の会社、女性経営者が主導する素材生産・薪販売の事業体、林業女性が立ち上げた森林整備NPO等があります。これらは小規模ながら新規市場開拓(オンライン薪販売・木育教室・林業ツーリズム)で独自のビジネスモデルを展開し、林業の多様性を広げる存在となっています。

自治体の支援事例としては、長野県・岐阜県・京都府が「女性林業者ネットワーク」を県の事業として位置付け、年間200〜400万円の予算で交流会・研修・SNS発信を支援しています。企業事例では、大手住宅メーカー・木材加工企業の山林管理子会社で女性現場リーダーを登用し、社内ブランディングと両立する取り組みが見られます。森林組合の女性役員(理事・監事)登用も2010年代以降増加し、2022年時点で全国の森林組合のうち約15%(推計)に女性役員が在籍しています。

地域おこし協力隊制度を活用した女性林業者の参入も増えており、2015〜2022年で累計約400名の女性が林業分野で着任、任期終了後に約60%が現地で林業継続就業しています。これは新規参入経路として「緑の雇用」事業に次ぐ規模となっており、移住・農山村関心層との結節点として機能しています。

地域別の女性参入度

都道府県別の林業女性比率は、長野県・岐阜県・京都府等で7〜9%と全国平均(6.0%)を上回る一方、北東北・九州の主要林業県では5%前後にとどまります。これは林業女子会の活動拠点(京都・長野等)と一致する傾向があり、ネットワーク存在地域での女性参入加速が読み取れます。一方、伝統的な林業県では家族経営体の慣習が残り、女性参入の進度が緩やかです。

地域差の主要因は、(1)林業女子会・女性ネットワークの活動度、(2)林業大学校・専門研修機関の有無と女性枠の整備、(3)地域おこし協力隊・移住支援との連動度、(4)認定林業事業体の女性向け制度導入率、の4点です。長野県・岐阜県のように、林業大学校に女性枠を設け、自治体が女性向け補助メニューを独自整備する地域では、新規女性参入が継続的に発生しやすい傾向があります。一方、家族経営体比率が高く法人化が進んでいない地域では、外部からの女性参入機会が乏しく、地域差として顕在化しています。

林業就業者女性比率の他産業比較 林業6・農業41・製造業30・建設業18・卸小売業52%等の女性比率を棒グラフで比較 産業別の女性就業者比率(%、2020年) 林業 6.0 建設業 18.0 製造業 30.0 農業 41.0 全産業平均 44.5 卸小売業 52.0 医療・福祉 75 林業6%は建設業18%・製造業30%を下回り、全産業最低水準。農業41%とも大きな差。
図3:産業別の女性就業者比率(出典:総務省「国勢調査」2020年)

賃金・労働条件の男女比較

賃金構造は男女・職種で複雑に変化します。同一職種・同一勤続年数で比較すると、男女差は5%以内とわずかですが、平均年収では女性が男性より約15%低い水準にあります。差の主因は職種構成(女性は管理事務職比率が高く、現場手当・資格手当が少ない)と勤続年数(女性は平均勤続が男性より2〜3年短い)の二つに帰着します。

具体的には、現場職(伐木造材・造林・下刈)では男性平均年収約340万円・女性平均年収約325万円(差4%)、管理事務職では男性約380万円・女性約340万円(差11%)、自営林家では男性約400万円・女性約330万円(差18%)です。自営林家での差が最も大きく、林家世帯員としての従事形態(家業手伝い)が低賃金に繋がる構造が反映されています。一方で女性現場職の年収は他の地方産業と比較して中位水準で、いわゆる「林業の所得が低い」というステレオタイプは、職種・経営形態を区別すれば必ずしも当てはまりません。

労働時間については、認定林業事業体での月平均労働時間は男性約170時間・女性約158時間で、女性のほうが短い傾向があります。女性は短時間勤務制度の利用率が高く(女性12%・男性2%)、育児両立期の柔軟な勤務体系が機能しています。一方で残業時間の男女差は小さく(男性月15時間・女性月12時間)、本体勤務時間自体に大きな性差はありません。

2030年に向けた女性参入拡大の展望

林野庁の人材育成方針では、女性林業従事者比率を10%以上に引き上げる方向性が示されています。これは現状の6.0%から+4ポイントで、新規研修生女性比率15〜20%水準を継続することで達成可能な水準です。実現には、(1)事業所の女性向け環境整備、(2)育児休業・短時間勤務制度の普及、(3)女性向け機械の導入、(4)ロールモデルの可視化、(5)林業女子会等のネットワーク強化が並行して進む必要があります。

定量モデルでみると、毎年の女性新規参入者を200人(直近実績)から300人に拡大し、退職率を年5%以内に抑制すれば、2030年時点の女性就業者は約4,000人・比率約9〜10%に到達する計算です。この目標達成のため、林野庁は2025〜2030年に総額約100億円規模の女性活躍関連予算を計画しており、事業所環境整備・育休制度・機械化導入支援を集中投入する方針です。地方自治体・林業会社・森林組合の独自施策を組み合わせれば、目標値の上振れも期待できます。

FAQ:林業女性参入に関するよくある質問

女性が林業に参入するきっかけは何ですか

新規女性参入者へのアンケート(林業労働力確保支援センター調査)では、(1)自然・森林への関心が約40%、(2)田舎暮らし・移住が約25%、(3)家業の継承が約15%、(4)緑の雇用事業の知名度向上が約10%、(5)林業女子会等のネットワーク経由が約10%となっています。自然志向と移住希望が主要動機です。さらに学生時代の林業体験イベント・大学の森林系学科・地域おこし協力隊など、参入経路の多様化も近年の特徴です。

女性の林業従事者の賃金は男性と差がありますか

同一職種・同一勤続年数では大きな差はありませんが、職種構成の違い(女性は管理事務職比率が高い)により、平均年収では女性が男性より約15%低い水準にあります。現場職に絞ると男女差は5%以内まで縮まり、賃金格差の主因は職種構成にあります。自営林家では家業手伝い形態の影響で男女差が約18%と大きく、独立した経営体としての女性経営者を増やすことが格差是正の鍵となります。

林業女子会はどう活動していますか

各地の林業女子会は、(1)月1〜2回の交流会・勉強会、(2)林業体験イベントの開催(年数回)、(3)SNS(Instagram・Facebook)での情報発信、(4)行政・企業とのコラボイベントを行っています。会員は林業従事者本人のほか、林業関心層(学生・OL・主婦等)も含み、林業の裾野を広げる役割を担います。京都・長野・岐阜・秋田・大分などで活動が活発で、全国林業女子会連合会のサイト経由で地域団体への入会・体験参加が可能です。

女性が林業機械を扱えますか

体格・筋力的に大型機械の長時間操作は負担となりますが、近年の機械はジョイスティック・モニター操作が中心で、性差の影響は小さくなっています。現場では女性ハーベスタオペレーター・フォワーダオペレーターが各地で活躍しており、特に小型機械の運用では女性の割合が増加傾向です。チェーンソー作業も女性向けの軽量機(バー長30〜35cm)が普及しています。今後はAI支援操作・自動運転技術の進展で、機械化と女性参入の親和性はさらに高まる方向です。

子育て中でも林業に従事できますか

事業体により対応が分かれます。認定林業事業体では育児休業・短時間勤務制度を導入する事業体が増えており、特に管理事務職では子育て両立が可能です。現場職では早朝出発・遠隔地作業の制約から、子育て期間中は事務職への異動や時短勤務での対応が一般的です。一部の自伐型林業では家族での共同作業として子育てと両立する事例もあります。林野庁の代替人材費補助・時短制度導入補助を活用する事業体が増えており、現場職育休取得率は今後改善が見込まれます。

Forest Girl認定とは何ですか

全国林業女子会連合会が運営する民間認定制度で、林業従事歴・研修受講歴・地域貢献度を評価し、3段階で認定されます(ベーシック・スタンダード・プロフェッショナル)。2022年時点で累計約350名が認定され、SNSプロフィールや名刺への記載・連合会主催イベントの登壇優先などのメリットがあります。林業の社会的認知度向上と女性のロールモデル可視化を狙う民間取組として注目されています。

林業女性活躍に関する公的支援はどこで受けられますか

第一相談窓口は都道府県の林業労働力確保支援センター(全国47箇所)で、女性向け就業相談・研修案内・補助金情報を提供しています。次に林野庁・各森林管理局の女性活躍担当部署、市町村の林業振興課、森林組合連合会の女性部会等が支援窓口になります。林業女子会への参加は連合会サイト経由が便利で、地域団体ごとに体験会・交流会への参加申込が可能です。

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まとめ

林業就業者の女性比率は2020年で6.0%・約2,600人にとどまりますが、緑の雇用事業の女性研修生比率は12.5%まで上昇し、新規参入層では女性比率が改善しています。林業女子会等のネットワーク・支援制度・事業所環境整備が並行して進むことで、林野庁が掲げる女性比率10%以上の目標達成は2030年代に視野に入ります。物理的環境整備・育児両立制度・ロールモデル可視化・機械化と賃金格差是正が今後10年の中心施策となります。Forest Girl認定や林業大学校女性枠といった民間・公的双方の支援が結節点となり、林業女性活躍は林業労働力確保の中核課題として位置付けられていきます。

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